バレンタインデー直前。
日本中に「チョコレート」があふれている時期。
2月10日
東京大学東洋文化研究所、池本教授と川島良彰氏が開催するコーヒーサロン。
第27回「チョコレートの不思議」に参加しました。
コーヒーサロンポスター今回は、応募者100名を越え、
定員70名の事前申込者のみ椅子に座ることができた。
会場は満タン!
最前列をGet!
開始前から、テーブル上のセッティングが気になる!

「今日は皆さんに作業をいくつかおこなっていただきます!」と池本教授のお話。
作業用に配られたもの
作業用のわら半紙2枚。
スプーン1本
ゴミ袋1個
お絞り1個
さて、どんな楽しい作業が始まるか?気分はワクワクです。
今回の講師は

CACAO HUNTER 小方 真弓氏
そして、カカオの焙煎を担当される
(株)富士珈機の
福島社長とスタッフの方、
開始時間に先立ち、まずはカカオの焙煎が始まりました。

富士珈機様の「煎っ太郎」で
ゆっくり時間をかけて焦がさないように、低温で焼きあげていくそうです。
さて、はじまり、はじまり~。
「今日は皆さんに、カカオ豆からチョコレートになるまでを勉強していただきます」
「3つのポイントを覚えてください」
「焼く」→「砕く(磨る)」→「練る」です!
先生のお話は明快でそしてテンポが速い。
ぼやっとしてるヒマがない。
先生:カカオは「熱帯のフルーツ」です。
ラグビーボールのような実。色もいろいろ(赤・黄色・緑)大きさは500~700gほど。
その中の果肉と種がチョコレートの原材料になります。
花は小さく何千と咲くそうですが、受粉率は3%以下だそうです。
カカオの種はバナナの葉を被せたりして、自然発酵させ乾燥するそうです。
その乾燥した状態の豆が「一人1粒」配られた。
白い粉が付着したようなその豆は、指で押さえると少し柔らかい感触
においは「酢昆布」のような、甘く酸っぱい、不思議な香り。

この種の断面。
品種によりいろんな色があるそうです。
アフリカに多い紫色は、ポリフェノールが多く、苦みや渋みが強いそうです。
コロンビアにある「クリオロ種」は、白く、ポリフェノールが少ないがまろやかで渋み・苦みも少ないそうです。
『焼く』
焙煎開始から約45分で出来上がり。
ガラガラと大きな音を立てて取り出されました!

辺りは、「モワッとした甘い不思議な香り」が立ち込めています。
焼きあがったカカオは「一人8粒」配布。

これから、「皮むき」作業開始!


指で押しつぶすと「パリッ」と意外に簡単に皮がむける。
ピーナッツよりも厚くしっかりした皮。
取り出された中身は「カカオニブ」と呼ばれる原材料です。
ツヤツヤした美味しそうなチョコレート色
次に『砕く(磨る)』
皮を剥いた「カカオニブ」を
本当はコーヒーミルですが
富士珈機さんの「ミルっ子」で挽きます。

すごい形状ですが、・・言葉に出してはいけませんと号令。
カカオ豆には、約50~55%の油脂分があるので、
このような形状になります。
これが「カカオマス」。
小さなスプーンで一口分配られました。

カカオニブと食べ比べます。
すりつぶしことによって、脂肪分のまろやかさが加わりチョコレートらしく感じます。
どちらも結構酸味があります。
実際のチョコレートはこれをさらに「微粉砕」
18~35μmにし、口どけなめらかなチョコレートに変身するそうです。
今日は、グァテマラなどで飲まれている「チョコラテ」という飲み物を体験。
寸胴鍋にカカオマスと砂糖を同量、とお湯を入れてかき混ぜたもの

お味は・・。
やはり酸味はありますが、素朴な甘みと相まって、くせになりそうな味です。
3杯お代りしました!
現地の作り方を先生がやってくださいました。
面白い器具「モリニーニョ」で泡立てるそうです。


日本人が飲んでいる「甘く濃厚なココア」とは違いました。
マヤ時代の現地の人は、お腹を壊したとき、灰(アルカリ)を入れて中和して飲んでいたそうです。
次に、2種類のココアの味見をしました。
「カカオマス」をフィルターで絞って、
「ココアバター」と「ココアケーキ」に分け、
「ココアケーキ」を粉砕しながら冷却させると
「ココアパウダー」ができるそうです。
私たちが普段「ココア」と呼んでいる粉です。
しかし、それにも絞り方で含まれる油脂量がちがい、味も違うそうです。
ベトナムの「ローファットココア」とバンホーテンココアの「ハイファットココア」
この2種を食べ比べました。

色もローファットのほうが白く、味も淡白。
ハイファットは、甘みやコクが感じられます。
やっぱり「脂肪」にうまみも含まれていると感じた。
先生は豆腐の素を絞って、おからと豆乳に分けるようなものと説明されました。
ガッテン!!
そして、
私たちが普段食べている「ビターチョコ」の原材料は
「カカオマス」+「砂糖」+「ココアバター」
「ミルクチョコレート」は
「カカオマス」+「砂糖」+「粉乳」+「ココアバター」
「ホワイトチョコ」は
「砂糖」+「粉乳」+「ココアバター」
※茶色い「カカオマス」が入らないから白い・・。なるほど。
そして、最後に、
今日のカカオニブから先生が作った「板チョコ」と
一般に製菓材料として売られているチョコレートを食べ比べました。
先生のチョコは、かなり酸味があるチョコ。
チョコレートは、小豆色した、やや紫の入った茶色だと気づいた。
こんなチョコは始めて食べた!
世界のカカオ生産第一は、コートジボアール
日本のカカオの70%はガーナだそうです。
大好きなチョコレートのルーツを知り、ますますチョコレートが美味しく、面白く感じた。
会場の設営からご準備、片づけ、
池本研究室の皆様、富士珈機の皆様、小方様、川島様
ありがとうございました。
本当に貴重な体験ができた講義に参加させていただいたことに感謝したします。
小方様のブログはとても楽しいです!
みなさん是非、必読です!
可可豆見聞録
- 2012/02/13(月) 11:49:58|
- ここだけの話
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0